清水鱗造
蓋は僕が開ける 空気は耳から抜けるような すーっと音にならない音で 瓶から移動する たぶん 瓶には僕が目を凝らす 45度前方のテーブルまでの空と 同じものを宿す 蓋がない 蓋が夢になる そう 蓋が夢なんて 蓋が