起こることがなぜ
起こるか見えないから
見ようとして
ぼーっとすわり続ける
たっぷりと後退しなければ
なにを生きたのかわからない
川の流ればかり見続けて
やがて死んでいくとしても
見ることはなおも
わたくしの消えた川岸を
見ている
無人の場所はないのだよね
「するとわたしは見られていたのだ!
この世界のなかで、わたしは
ひとりではない!」と
ネルヴァルは言ったものだったが
だから
いまここで焚く火は
正しくは遍在の火
川岸は消えたわたくしへと
帰っていくのだね
哀しいのは真剣になり切ってないから
でしょ
起こること、起こらないこと
考えないでいいから
いまここで火を焚くのだよ
いまここで火
だけは焚くのだよ
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