expand
フロントエンド


このフロントエンドからは、タブ文字をスペースに展開するexpandプログラムを実行できます。expandには逆を行うunexpandがあり、フロントエンド)も似ています。なお、Windowsには、圧縮ファイルを復元するというまったく別の機能を持ったexpandプログラムがあります。パスの設定に注意しないと、Windowsexpandプログラムが実行されて、おそらくエラーメッセージが表示されることになってしまいます。このフロントエンドの「実行」ボタンは、何らかの入力が指定されたときに有効になります。

 

通常のウィンドウ

のメインダイアログから起動したときのウィンドウ

 

タブ文字とは、キーボードの[Q]キーの左にある[Tab]キーを押したときに入力される文字で、tableすなわち表の略です。このキーは、ダイアログボックスを操作しているときには、コントロールの間をジャンプするためのキーとして使われますが、テキストエディタ、MS-DOS/コマンドプロンプトウィンドウ、ワープロなどでは、タブストップと呼ばれる位置まで挿入点を動かすために使われます。通常、タブストップは、8桁目、16桁目、24桁目…と8の倍数の位置に設定されています(先頭は0桁)。つまり、FEPの入っていない英数モードの文字(漢字やひらがなの半分の幅で表示されるので、半角文字と呼ばれることのある文字)で、0123456789と入力していって、8が表示される位置が最初のタブストップです。行頭で[Tab]キーを押すと、この8の位置まで挿入点がジャンプします。同様に、7字以内の通常の文字を入力してから[Tab]キーを押したときにも、8の位置まで挿入点がジャンプします。しかし、8字の文字を入力してから[Tab]キーを押すと、挿入点のジャンプ先は16桁目(17字目)になります。

[Tab]キーのこの性質をうまく利用すると、行頭がそろった見やすいリストができます。実際、プログラミング言語でプログラムを書くときには、タブ文字を活用してプログラムが読みやすくなるようにします。タブ文字の代わりにスペース文字を使うと、少し書き換えるたびに揃っていた行頭がずれてしまいます。そのため、スペース文字ではなく、タブ文字を使うということは、行頭が揃ったリストを書きやすくすることでもあります。

タブ文字は、通常のテキストには含まれない文字ですが、改行文字と同様に、テキストファイルの構成要素とされています。テキストツールは、タブ文字のそのような性質を活用しています。たとえば、awk)やcut)は、デフォルトのフィールド区切り文字としてタブを使っています。タブで区切った表形式のテキストファイルは、Microsoft Excelでも表として認識されます。

タブ文字は、そのように便利な存在ですが、8桁ごとというタブストップの間隔が広すぎる場合や、何らかの数値の倍数ではなく、長短自在に設定したい場合があります。テキストエディタやワープロには、そのようなタブ設定機能がありますが、ただ単にそのように自在にタブを設定したのと同じ表示が得られればよいという場合もあります。そのようなときにを使います。でスペースに展開したタブ文字は、unexpand)でタブ文字に戻すことができます。

入力

マイコンピュータ、エクスプローラなどのウィンドウからファイルのアイコンをドラッグしてきてこのウィンドウにドロップすれば、そのファイルが入力ファイルとして使われます。

 

クリップボード  このチェックボックスをクリックすると、「入力ファイル」ダイアログボックスで指定された入力を使わず、クリップボードの内容を標準入力にリダイレクトします。

ファイル      このボタンをクリックすると、「入力ファイル」ダイアログボックスが表示されます。ファイルの順番を指定したいときや、ワイルドカードを使って複数のファイルをまとめて指定したい場合には、このダイアログボックスを使います。

 

入力の指定方法の詳細については、「入力の指定」を参照してください。

オプション

タブについての設定

-i ダイアログに書かれている通り、空白文字以外の文字が現われたら、その後ろのタブは展開しません。

 

-m 2バイトスペースに置き換えます。端数は1バイトスペースに置き換えます。

 

-t ここで1つのタブ文字をいくつのスペースに置き換えるかを指定します。単位は、-mが指定されているときでも、バイトです。指定方法は2種類あります。

 

  (1)1個の数字を指定すると、その数字の倍数がタブストップになります。たとえば、4と入力すれば、48121620桁目がタブストップになります。

  (2)カンマで区切った2個以上の数字を指定すると、11つの数字がタブストップになります。たとえば、4,12,15,20と指定すると、4121520桁目がタブストップになります。

ヘルプ、バージョン

--help  expand.exeのヘルプメッセージが表示されます。

--version  expand.exeのバージョン番号が表示されます。

 

これらのオプションを指定すると、オプショングループボックス内のほかのオプションは指定できなくなります。

出力

通常、出力ファイル名を指定する必要はありません。指定しなければ、出力は一時ファイルに書き込まれ、その一時ファイルが指定されたテキストエディタによってオープンされます。しかし、ファイル名を指定すれば、出力はそのファイルにリダイレクトされ、テキストエディタにもそのファイルが渡されます。また、中央のエディットボックスにファイル名が表示され、その下の「追加」チェックボックスをチェックできるようになります。「追加」チェックオックスをチェックすると、そのファイルの元の内容の末尾に出力を書き足します。出力の指定方法の詳細は、「出力の指定」を参照してください。

コマンド行

出力グループボックスの下の行には、組み立てたコマンド行が表示されます。(pipeline)の「編集」ボタンで起動したときを除き、コマンド行の左側の四角形をマウスでクリックしてドラッグしていくと、他のcmdline)にドロップできます。また、「コピー」ボタンを押すと、コマンド行情報がクリップボードにセットされます。クリップボードにコマンド行情報がセットされているときに、マウスの右ボタンをクリックし、コンテキストメニューから「貼り付け」を選択すると、クリップボードのコマンド行情報が反映されます。ドラッグアンドドロップとコピーアンドペーストの詳細は、「ドラッグアンドドロップとコピーアンドペースト」を参照してください。エキスポート、インポートされるときのコマンド行情報の形式については、「コマンド行情報のやり取りの仕組み」を参照してください。さらに、ダイアログボックス上でマウスの右ボタンを押したときに表示されるコンテキストメニューの「.batロード」、「.bat保存」コマンドを使えば、同じ形式のコマンド行情報を.batファイルとして保存し、あとでロードすることができます。このロード、保存機能の詳細は、「.batファイルのロードと保存」を参照してください。

作業ディレクトリの設定

作業ディレクトリを表示しているエディットボックスを直接編集したり、マイコンピュータ、エクスプローラなどからフォルダを1つだけドロップしたりすると、作業ディレクトリを変更できます。「ChDir」ボタンでも、作業ディレクトリを設定できます。作業ディレクトリの設定が必要になるのは、入力ダイアログボックスの「直接指定する」を使うときです。詳しくは、「作業ディレクトリ」を参照してください。

設定

設定」ボタンを押すと、「設定」ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスでは、

 

*出力の表示に使うテキストエディタ

*エクスプローラなどからファイルやフォルダをドロップしたときの確認メッセージの有無

*出力の末尾に実行したコマンド行、実行時間などを付加するかどうか

*コマンド行プログラムに渡すファイル名のディレクトリ区切り子を\ではなく/にするかどうか

*コマンド行プログラムに渡すファイル名を8.3形式にするかどうか

*コマンド行プログラムとしてどれを使うか

 

を指定できます。詳しくは、「設定ダイアログボックス」を参照してください。

opt保存

opt保存」ボタンを押すと、「オプション」グループボックス内の設定が保存されます。詳しくは「オプション保存」を参照してください。