前の月のページ 12月1日（木）　冬の雨火箸をもして遊びけり 12月2日（金）　トースターの熱線茫と霜の朝 12月3日（土）　さすらえば白菜ゆるく巻かれている 12月4日（日）　天を発つはじめの雪の群れ必死 12月5日（月）　赤城山から続くもみぢの草紅葉 12月6日（火）　熊を見し一度を何度でも話す 12月7日（水）　葱白く洗ひたてたるさむさ哉 12月8日（木）　老人と漫画しずかな十二月 12月9日（金）　ぬぬつと大根ぬぬぬとニュータウン 12月10日（土）　洛中の師走余所事余所者に 12月11日（日）　冬木と石と冬木と石とありにけり 12月12日（月）　ここに居るはずもないのに冬の夜 12月13日（火）　凍鶴のほとりの土の雀かな 12月14日（水）　馬売りて墓地抜けし夜の鎌鼬 12月15日（木）　降る雪や玉のごとくにランプ拭く 12月16日（金）　年の瀬や隣家は船のごとく消え 12月17日（土）　母すこやか蕪汁大き鍋に満つ 12月18日（日）　門々や子供呼込雪のくれ 12月19日（月）　かじかみて酔を急ぐよ名もなき忌 12月20日（火）　まいにちが初めての年暮れにけり 12月21日（水）　熱燗やきよしこの夜の仏教徒 12月22日（木）　日は午後に冬至の空のさゝ濁り 12月23日（金）　数へ日の交番に泣く女かな 12月24日（土）　炬燵に賀状書くや寝たる父の座に 12月25日（日）　折鶴は紙に戻りて眠りけり 12月26日（月）　煤逃げの碁会のあとの行方かな 12月27日（火）　慈善鍋士官襟章ほのももいろ 12月28日（水）　荷がゆれて夕陽がゆれて年の暮 12月29日（木）　餅板の上に包丁の柄をとんとん 12月30日（金）　桜の木ひかりそめたり十二月 12月31日（土）　除夜の鐘天から荒縄一本 この月のすべての句 次の月のページ 『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます。