セッション・ポエム(作品005番)
ゲスト・映画「REPULSION 反撥」監督ポランスキー

山女魚(やまめ)


  
 映画・「REPULSION反撥」の恐ろしさ、ゾクゾクするような面白さは、
感じやすく美しい少女キャロルが、性的なオブセッションに次第に押しつぶされ、
少しずつ壊れてゆき、ついには男たちを殺して廃人になってしまうというサスペン
スにある。正統派といえるドヌーブの清純なイメージと大胆でセクシュアルな演技
のアンバランスが、狂気を際立てている。*
WHY?  この山女魚(うお)は、 裸足。  ──ランジェリーも要らないのです、たぶん。   (彼女より)    選ばれた上得意様だけの、    特別・ご招待状は、    親展    親展、   (料金別納郵便です。)    ご返事も要らないのでしょうーー
  
(推薦の言葉)
・・・少しでも多くのファンに、渓魚との対話を楽しんでもらいたい・・・これが
氏の永遠のテーマだからです。何度か一緒に竿を出しましたが、ポイントの選定、
条件に合わせた狙い方・・・どれもが半端ではありません。状況を的確に判断できる
からこそ、人一倍よく釣ります。人が竿を出さない“竿抜け”の場所も熟知してい
ます。**
WHY?  解禁になった雪の残る渓流でヤマメを狙う。  ──それは、私なのです、たぶん。
  
 そして、その映像表現の抜群の迫力。精神のバランスが崩れ、空間の境界がなく
なり、妄想にリアルな力で襲われる彼女の心理状態が、ショッキングな映像として
視覚化されている。*

 ヤマメは警戒心の強い魚ですので、静かな動作で勝負してください。きっとその
行為はむくわれます。**

   狙ったヤマメがかかった。    これだけのものはそうおがめるものではない、   (料理法)     1 黙らせる。     2 エラ、内臓を取る。     3 金串を、右目から刺す。     4 ヒレには化粧塩をする。 way−out  彼女は、裸足。  それは、私なのです、たぶん。                      1998 5 23(ロードショー初日)

*映画・カタログ(配給・キネティック) **「渓流釣り」・秘術を公開・成美堂出版



(C) Copyright, 1998 AOKI, Eime
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