こっちに身体があって 本人はあっちにいるとき あっちの本人に こっちの身体の感覚は 残っているのだろうか? 残っていないとすると こっちの身体を犯したときに こっちの身体が発する苦痛や快楽は どこに行くのだろうか? どこにも行けないのであれば 償われない苦痛や快楽は 身体を滅ぼすのではないだろうか? 身体が滅ぼされてしまったら あっちの本人は どこに戻ればよいのだろうか? 戻るところがなくなった本人は いったい何を待ち続けるのだろうか?