神の代理人
大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス(第1条)
天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス(第3条)
明治憲法体制では、
天皇以外はすべて臣民だったわけよ。
天皇が主で臣民は奴隷、全然平等ではないのよね。
憲法にはちょっと自由を認めてやるよってことが書いてあるけど、
天皇の命令でどんな自由もいつでも奪えるようになっていたわけ。
でもさ、天皇はたったひとりで、
「臣民」は何千万人もいたわけで、
どうやってひとりが何千万を抑えつけていたんだろうね?
たぶんこういうことなんじゃないかと思うんだけど、
軍人やら政治家やら役人やら教師やらといった連中がいたでしょ。
そいつらが身近な天皇の代わりになったんじゃないかな。
最初は神の言葉を代弁していた神主が、
そのうちに神そのものに成り上がるって、
民俗学にたしかそんな説があったと思うんだけど、
まさにそういう関係よね。
天皇の代理人は、
天皇に対しては臣民かもしれないけど、
一般臣民に対してはまるで天皇のようにふるまうわけ。
すると、一般臣民に対しては主なんだよね。
一般臣民はそいつらの奴隷さ。
一段上に立って、一般臣民の批判を許さないわけ。
戦前の体制に戻したい連中って、
そうやって自分にとっての天国を作りたいんじゃないかと思うよ。
ゲスだな。
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