朝は晴れていたが
次第に雲行きが怪しくなり
昼食を終えて店を出たときには
街は斜線だらけ
走れ
駅まで20m ジャンパーの襟を立てて
「あられだって」
「あられ?」
「今 通っていった人がそう言ってたわよ」
2人とも 走るのに夢中で
あられだとは気が付かなかった
年末のせいか 駅には人がいっぱい
数百人 あるいはそれ以上?
これらの人々にもこのようにして
あられという単語が伝わっていったのだろうか?
あられという単語が脳細胞の隙間に浮かんだり
のどの奥を震わせたりしたのだろうか?
他人同士 不思議なことだ
外を覗くと 夏のような厚い雲
今 その真ん中で稲妻が光った
Booby Trap No. 12
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