このプログラムは、ファイルのタイムスタンプ(ファイルを作成、変更、アクセスした日時を示す管理情報で、すべてのファイルに含まれている)を操作します。ディレクトリのタイムスタンプは操作できません。タイムスタンプの操作は、このプログラム自身が行います。UNIXにはもともとtouchというプログラムがあり、このプログラムの前身も、MS-DOS用のコマンド行プログラムでしたが、このプログラム自体はコマンド行プログラムに対するGUIフロントエンドではありません。しかし、touchの機能は標準入出力の操作とは無関係ですので、GUIフロントエンドである必要も(あまり)ないのです。
ダイアログボックスは、管(pipeline)、行(cmdline)などと同様に、サイズ変更できます。また、日付と時刻の表記は、コントロールパネルの「地域」の設定に従って整形されます。
触の操作対象ファイルは、次の4通りの方法で指定できます。
コマンド行パラメータとしてファイル名を指定する。
「ファイル」、「フォルダ」ボタンを押し、標準の「ファイルを開く」、「フォルダの参照」ダイアログでファイルを指定する。
エクスプローラやGUIフロントエンドからファイル、フォルダをドラッグアンドドロップまたはコピーアンドペーストする。
「スペック」ボタンを押し、「ファイル指定入力」ダイアログ(下図参照)でファイル指定(ワイルドカード使用可)を指定する。
2、3番目の方法は他のGUIフロントエンドでもおなじみの方法です(「貼り付け」コマンドは、マウスの右ボタンを押したときに表示されるコンテキストメニューに含まれています)。フォルダを指定した場合、そのフォルダに含まれるファイルが選択されます。「再帰」が指定されている場合には、そのフォルダのサブフォルダからもファイルを選択します。
1、4番目の方法では、ワイルドカードを指定できます。PCKのコマンド行プログラムと同様に、c:\*\*.txtのようにワイルドカードを複数指定することもできます。フォルダを指定した場合には、そのフォルダに含まれるファイルをリストに追加します。また、「-r」というオプションを挿入することによって再帰オプションをトグルできます。たとえば、「再帰」チェックボックスがクリアされている状態で、ファイル指定として「-r c:\works」と入力すると、c:\worksフォルダとそのすべての子孫フォルダに含まれるファイルが操作対象に追加されます。また、操作対象指定後、「再帰」チェックボックスはチェックされます。しかし、「再帰」チェックボックスがチェックされている状態で、ファイル指定として先ほどと同じ「-r c:\works」を入力すると、c:\worksフォルダに含まれるファイルだけが操作対象に追加されます。そして、操作対象指定後、「再帰」チェックボックスはクリアされます。さらに、「再帰」チェックボックスがクリアされている状態で、ファイル指定として「-r c:\works c:\etc -r c:\bin 」を指定すると、c:\works、c:\etcフォルダとそのすべての子孫フォルダに含まれるファイルと、c:\binフォルダに含まれているファイルが操作対象に追加されます(ただし\binフォルダの子孫フォルダのファイルは含まれません)。操作終了後、「再帰」ボタンはクリアされたままです。
後述のように、操作対象から外したいファイルは、リスト内で選択して「除去」ボタンを押せば、リストから取り除くことができます。Windowsエクスプローラの検索ダイアログとは異なり、リストからファイルを取り除いても、そのファイルが物理的に削除されることはありません。また、リストにファイルを追加したあと、ファイルを削除しても、リストには反映されません。
Windowsの各ファイルシステムは、3種類のタイムスタンプを持っています。触は、それぞれについて時刻と日付を別々に設定できるようになっていますが、Windows 9x/Meでは、アクセス時刻はどのような値を設定しようとしてもかならず0時0分0秒になってしまいます。それぞれ、3つの設定方法を選択できます。
変更しない 元の日付、時刻をそのまま使います。
現在の時刻(日付) 画面上部に表示されている現在の日時を使います。
下記の時刻(日付) 下の時刻、日付操作コントロールで指定した日時を使います。コントロールのデフォルトの値は、日付が「今日」、時刻が0時0分0秒です。
画面で指定された内容で、リスト内のすべてのファイルのタイムスタンプを設定します。一応、本当にやってもいいかどうか尋ねてきます。リストが空なら何もしません。あるファイルについてエラーが発生し、タイムスタンプが設定できなかった場合には、メッセージボックスにそのファイルのフルパスとエラーの簡単な説明が表示されます。ほかのファイルのタイムスタンプは変更されます。エラーを起こしたファイルは、実行後、リストから除かれます。また、実行前にリスト内に選択されたファイルがあった場合、それらのファイルの選択は実行後に解除されます。
他のGUIツールと同様に、終了してもよいかどうかを尋ねてから、プログラムを終了します。
標準の「ファイルを開く」ダイアログボックスをオープンします。複数のファイルを指定することができます。
標準の「フォルダの参照」ダイアログボックスをオープンします。指定されたフォルダに含まれるファイルがリストに追加されます。「再帰」チェックボックスがチェックされていれば、子孫フォルダのファイルも追加されます。
「ファイル指定入力」ダイアログボックスをオープンします。エディットボックスにファイル、フォルダ名を直接入力することができます。ワイルドカードを使うことができます。また、スペースで区切って複数のファイル指定を入力することができます。スペースが含まれるファイル名を指定する場合には、全体をダブルクォートで囲みます。
リスト内でファイルが選択されている場合には、そのファイル、そうでなければ、リスト内のすべてのファイルの情報をクリップボードにセットします。他のGUIフロントエンドの「入力ファイル」ダイアログボックスやエクスプローラにペーストできます(エクスプローラにペーストした場合は、ファイルコピーが行われます)。リストの上の四角形をほかのGUIフロントエンドやエクスプローラにドラッグアンドドロップすると、同じ情報がエキスポートされます。
リストから選択(複数可)されたファイルを取り除きます。ファイルを削除したりはしません。操作対象から取り除くだけです。リストに入力フォーカスがセットされているときに[Delete]キーを押したときにも、同様の処理が実行されます。
リストからすべてのファイルを取り除きます。ファイルを削除したりはしません。操作対象から取り除くだけです。
すでにファイルリストにファイルが表示されているときに、新たに「ファイルを開く」ダイアログやドラッグアンドドロップでファイルを選択した場合、それらのファイルを現在のリストに追加するか、現在のファイルに置き換えるかを指定します。
追加 リストに新選択ファイルを追加します。
置換 リストの内容を新選択ファイルで置き換えます。
操作対象としてフォルダを指定したとき、このボックスがチェックされていれば、そのフォルダの子孫フォルダからもファイルを探してきます。
「実行」を押すと、ここに含まれているファイルのタイムスタンプが変更されます。見出し部分をクリックすると、その見出しに基づいて内容がソートされます。同じ見出しを繰り返しクリックすると、逆順でソートされます。
名前 ファイル名のアルファベット順
フォルダ フルパスのアルファベット順
作成 作成日時の新しい順
変更 変更日時の新しい順
アクセス アクセス日時の新しい順
ot32ext.dllは、Windowsディレクトリにインストールされます。エクスプローラでファイルを選択し、右マウスボタンをクリックしたときに表示されるメニューに、「タイムスタンプ操作(O)」という項目を追加します。この項目を選択すると、選択されたファイルをコマンド行引数として触が起動されます。