このフロントエンドは、複数のプログラムを組み合わせたコマンド行を組み立てたり、ほかのGUIフロントエンドを起動したりすることができます。また、他のGUIフロントエンドとは異なり、前回実行終了時の位置に、前回実行終了時と同じ大きさで表示されます(メインダイアログは、上下、左右にサイズ変更できますし、全画面表示もできます。なお、行(cmdline)も、同じようにサイズと位置を記憶します)。さらに、このプログラムを実行すると、PCKのツール群が大量に作っている一時ファイルのうち、そのときに使われていないものが削除されます。
このプログラムは、「入力」グループボックスとと「出力」グループボックスの間のリストの部分に表示されたプログラムを実行するGUIフロントエンドです。しかし、起動直後は、上の図のように、リストの中身は空っぽです。リストのなかに何らかのアイテムを追加しなければ、何も実行できません。この状態で「実行」ボタンを押しても、
Specify command-line to execute.
と書かれたテキストエディタウィンドウがオープンされるだけです。実行すべきコマンド行を指定せよということです。コマンド行は、リストにアイテムを追加することによって指定していきます。ですから、まずはリストへのアイテムの追加方法を説明しましょう。
起動直後の管は、メインダイアログのほかに、上記のようなダイアログボックスもオープンします(「設定」ダイアログボックスで「起動時に起動ボックスをオープンしない」をチェックすればオープンされませんが、その場合でもメインダイアログの「追加」ボタンを押せばオープンされます)。このダイアログボックスには、このツールセットに含まれるほぼすべてのGUIプログラム(背を除くたくさんのフロントエンドと3個のユーティリティ)が含まれています。
このリストのなかのアイテム(ただし、板: board、行: cmdline、管、設: pcksetup、触: touchを除く)を選択して「パイプへ」ボタンを押すか、管のウィンドウのどれかにアイテムをドラッグしてください(「起動ボックス」内をほんの少しドラッグするだけでもかまいません)。そのアイテムが、メインウィンドウのリストに追加されます。左端にアイコンが表示され、その右にコマンド行が表示されます。コマンド行には、それぞれのフロントエンドの「opt保存」コマンドで保存したオプションが付加されます。
次に、「起動ボックス」リストのなかのアイテム(板、行、管、設、触を含む)を選択して「起動」ボタンを押すか、アイテムをダブルクリックしてください。デスクトップアイコンやスタートメニューからアプリケーションを起動するのとほぼ同じように、指定されたユーティリティ/フロントエンドが起動します。ただし、管から起動すると、他の場所から起動したときとは異なり、プログラムに渡される環境変数PATHの冒頭に「設定」ダイアログの「環境変数PATHの冒頭に挿入するディレクトリ」の内容が挿入されます。そのため、インストール時の設定では、GUIフロントエンドはフルパスを指定せずに、PCKディレクトリのコマンド行プログラムを実行することができます。
起動されたプログラムは、管とは無関係に実行、終了できます。しかし、それらのプログラムで組み立てたコマンド行は、ドラッグアンドドロップ、コピーアンドペーストによって、管にインポートすることができます。詳しくは、「ドラッグアンドドロップとコピーアンドペースト」を参照してください)。「パイプへ」ボタンを使う方法では、行をリストに追加することはできませんが、この方法なら、行のなかでコマンド行が指定されていればリストに行を追加できます。
どちらの方法でも、複数のアイテムをリストに追加すると、管のコマンド行表示部は、それらのアイテムのコマンド行を「|」(パイプ記号)でつないだ形の文字列が表示されます。入力ファイルを指定すると、最初の「|」記号の直前に入力ファイル名が追加されます。出力ファイルを指定すると、コマンド行全体の末尾に「>」記号と出力ファイル名が追加されます。
「起動ボックス」がオープンされている間は、メインダイアログの「追加」ボタンは無効になっています。ダイアログをクローズしたあと、再度オープンしたいときには、この「追加」ボタンを使います。
管のメインウィンドウのなかに1度で捨ててしまうのは惜しいと感じられるすばらしいコマンド行の組み合わせができたとします。その場合には、リストの上の「保存」ボタンを選択すると、拡張子.batのバッチファイル形式でコマンド行を保存できます。このファイルは、通常のバッチファイルと同様に実行することができます。
保存したバッチファイルを読み出して使いたいときには、リストの上の「ロード」ボタンを押すか、[Ctrl]キーを押しながらエクスプローラからバッチファイルをドラッグアンドドロップまたはコピーアンドペーストします([Ctrl]キーだけを押すように注意してください。[Ctrl]キーと[Shift]キーの両方が押されていると、出力ファイルを指定しようとしているものと見なされます)。テキストエディタでバッチファイルをオープンしている場合には、その内容をクリップボードにコピーしてから管の「貼り付け」ボタンを押すという方法でも「ロード」できます。ファイルをロードすると、タイトルバーにファイル名が表示されます。ロード後、コマンド行に編集をかけると、ファイル名の横にアスタリスク(*)が表示されます。ファイルを保存すると、アスタリスクは取り除かれ、タイトルバーの内容は保存したファイル名になります。詳しくは、「.batファイルのロードと保存」、「コマンド行情報のやり取りの仕組み」を参照してください。
リストのなかのアイテムは、1つずつ編集することができます。アイテムをダブルクリックするか、アイテムを選択してリストの下の「編集」ボタンを押してください。リストに表示されているアイコンに対応するGUIフロントエンドが管のメインダイアログの左側に起動されます。ただし、このようにして起動されたGUIフロントエンドは、通常とは動作が異なり、「実行」、「ChDir」ボタンと入出力関係のボタン、チェックボックスがなくなっています。また、「閉じる」ボタンではなく、「OK」、「キャンセル」ボタンが表示され、これらを押すと、終了してよいかどうかを確かめずに、ただちにダイアログボックスを終了します。さらに、このようにしてGUIフロントエンドを起動した場合は、GUIフロントエンドをクローズするまで、管は次のように無効状態になって操作できなくなります(「起動ボックス」、「入力ファイル」、「設定」、「環境変数」ダイアログボックスも同様)。つまり、この場合のGUIフロントエンドは、管の動作を設定するためのモーダルダイアログボックスのようになっているのです(もっとも、普通のモーダルダイアログボックスは、メインウィンドウを視覚的に無効状態にしたりはしませんが)。表示されなくなっているボタンは、基本的にGUIフロントエンドではなく、管本体で設定すべきことに対応しています(たとえば、実行すべきものは、GUIフロントエンドではなく、パイプラインとして組み立てられた管の方です)。GUIフロントエンドをクローズすると、GUIフロントエンドで指定したオプションが管のリストアイテムに反映されます。
リストのなかのアイテムを選択して「編集」ボタンではなく、「起動」ボタンを押すと(あるいは[Shift]キーを押しながらダブルクリックすると)、管からは独立した形でGUIフロントエンドを起動できます。GUIフロントエンドは、管のなかでの設定内容に基づいて初期化されます。起動されたGUIフロントエンドのなかでオプションを変更しても、「編集」ボタンの場合とは異なり、管には反映されません。しかし、コピーアンドペースト、ドラッグアンドドロップなどの方法で新しいコマンド行を管に追加することはできます。
リスト内でアイテムをドラッグ、ドロップすると、アイテムの位置を変更し、コマンドの実行順を変えることができます。
リストアイテムを選択してリストの下の「除去」ボタンを押すと。 そのアイテムはパイプラインから取り除かれます。また、リストの上の「クリア」ボタンを押すと、次のメッセージボックスが表示されます。
ここで「はい」を選択すると、リストアイテムがすべて削除されます。
マイコンピュータ、エクスプローラなどのウィンドウからファイルのアイコンをドラッグしてきてこのウィンドウにドロップすれば、そのファイルが入力ファイルとして使われます。 ver.2.0以降では、GUIフロントエンドからコマンド行をコピーアンドペースト、ドラッグアンドドロップしたときに、GUIフロントエンドの入力指定がそのまま管の入力指定になることがあります(詳細は「ドラッグアンドドロップとコピーアンドペースト」を参照してください)。
クリップボード このチェックボックスをクリックすると、「入力ファイル」ダイアログボックスで指定された入力を使わず、クリップボードの内容を標準入力にリダイレクトします。
ファイル このボタンをクリックすると、「入力ファイル」ダイアログボックスが表示されます。ファイルの順番を指定したいときや、ワイルドカードを使って複数のファイルをまとめて指定したい場合には、このダイアログボックスを使います。
また、パイプラインの途中のプログラムに入力を追加したい場合には、そのプログラムを選択してから「補助入力」ボタンを押して、補助入力指定用ダイアログボックスをオープンしてください。入力の指定方法の詳細については、「入力の指定」を参照してください。
通常、出力ファイル名を指定する必要はありません。指定しなければ、出力は一時ファイルに書き込まれ、その一時ファイルが指定されたテキストエディタによってオープンされます。しかし、ファイル名を指定すれば、出力はそのファイルにリダイレクトされ、テキストエディタにもそのファイルが渡されます。また、中央のエディットボックスにファイル名が表示され、その下の「追加」チェックボックスをチェックできるようになります。「追加」チェックオックスをチェックすると、そのファイルの元の内容の末尾に出力を書き足します。また、パイプラインの途中でのデータの状態を知りたいときには、丁(tee)を使うことができます。出力の指定方法の詳細は、「出力の指定」を参照してください(パイプラインの途中での出力については丁の項を参照してください)。
出力グループボックスの下の行には、組み立てたコマンド行が表示されます。コマンド行情報は、他のGUIフロントエンドにドラッグアンドドラッグ、コピーアンドペーストすることができます。詳細は、「ドラッグアンドドロップとコピーアンドペースト」を参照してください。
作業ディレクトリを表示しているエディットボックスを直接編集したり、マイコンピュータ、エクスプローラなどからフォルダを1つだけドロップしたりすると、作業ディレクトリを変更できます。「ChDir」ボタンでも、作業ディレクトリを設定できます。作業ディレクトリの設定が必要になるのは、入力ダイアログボックスの「直接指定する」を使うときです。詳しくは、「作業ディレクトリ」を参照してください。
「設定」ボタンを押すと、「設定」ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスでは、
を指定できます。詳しくは、「設定ダイアログボックス」を参照してください。
「環境変数」ボタンを押すと、「環境変数設定」ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスを使えば、コマンド行プログラムを起動したときに使われる環境変数を操作できます。詳細は「環境変数の設定」を参照してください。
環境変数は、「ロード」ボタンで環境変数の指定が書かれているバッチファイルをロードしたとき、阿(awk)、珠(perl)、紅(ruby)など、「環境変数」ボタンを持つGUIフロントエンドや「set」コマンドで環境変数を操作できる行(command line)フロントエンドで環境変数を操作したあとで、コマンド行の横の□を管にドラッグドロップしたときにも変更されます。また、「クリア」ボタンを押すと、リスト内のアイテムだけではなく、それまでに設定したすべての環境変数はクリアされます。「起動ボックス」から起動されたプログラムの環境変数の設定は、「環境変数設定」ダイアログやバッチファイルのロード、「クリア」ボタン、コマンド行のドラッグアンドドロップによる操作を反映せず、管を起動したときの状態と同じになります(ただし、「設定」ダイアログの「環境変数PATHの冒頭に挿入するディレクトリ」の影響は受けます)。
このフロントエンドのメインウィンドウを右クリックして表示されるコンテキストメニューには、縮小表示コマンドが含まれています。詳しくは、右クリックの項を参照してください。