このフロントエンドからは、各行を横に貼り付けていくgnuのpasteプログラムを実行できます。pasteには逆を行うcutがあり、フロントエンド(切)も似ています。このフロントエンドの「実行」ボタンは、何らかの入力が指定されたときに有効になります。
通常のウィンドウ
管のメインダイアログから起動したときのウィンドウ
マイコンピュータ、エクスプローラなどのウィンドウからファイルのアイコンをドラッグしてきてこのウィンドウにドロップすれば、そのファイルが入力ファイルとして使われます。
クリップボード このチェックボックスをクリックすると、「入力ファイル」ダイアログボックスで指定された入力を使わず、クリップボードの内容を標準入力にリダイレクトします。
ファイル このボタンをクリックすると、「入力ファイル」ダイアログボックスが表示されます。ファイルの順番を指定したいときや、ワイルドカードを使って複数のファイルをまとめて指定したい場合には、このダイアログボックスを使います。
入力の指定方法の詳細については、「入力の指定」を参照してください。
まず、何もオプションを指定していないときの動作例を示しておきます。次のようなファイル(a.txt)と、
頭の名前
頭には名前がもう一つあったと思うのだが、
どうしても思い出せない。
胴体から切り離したときには、
切断面を全体の名前として、
首
と呼ぶことがあるが、
私がいいたいのは、
物になってしまった頭のことではない。
次のようなファイル(b.txt)があったとします。
ふらふらふらふら
波乗り生活
ふらふらふらふら
落ちたら終わり
波乗り生活
ふらふらふらふら
腰曲げ膝曲げ
かかと曲げ
へっぴり腰で
波乗り生活
paste a.txt b.txtを実行すると、次のような出力が得られます。
頭の名前 ふらふらふらふら
頭には名前がもう一つあったと思うのだが、 波乗り生活
どうしても思い出せない。 ふらふらふらふら
胴体から切り離したときには、 落ちたら終わり
切断面を全体の名前として、 波乗り生活
首 ふらふらふらふら
と呼ぶことがあるが、 腰曲げ膝曲げ
私がいいたいのは、 かかと曲げ
物になってしまった頭のことではない。 へっぴり腰で
波乗り生活
2つのファイルの行を横並びに貼り付けていきます。片方のファイルの行ともう片方のファイルの行の間には、区切り子としてタブが挿入されています。入力ファイルを増やすと、さらに横に長い行が作られていきます。
-d 今述べたように、デフォルトの区切り子はタブですが、2つのフィールドの間にタブ以外の文字を挿みたいときに、このオプションを使います。切の場合とは異なり、空文字列を指定することもできます。その場合、区切り子を間にはさまずにすぐに次の内容が貼り付けられます。上記の例で-d ""(空文字列)を指定して実行すると、次のような出力が得られます。
頭の名前 ふらふらふらふら
頭には名前がもう一つあったと思うのだが、波乗り生活
どうしても思い出せない。ふらふらふらふら
胴体から切り離したときには、落ちたら終わり
切断面を全体の名前として、波乗り生活
首ふらふらふらふら
と呼ぶことがあるが、腰曲げ膝曲げ
私がいいたいのは、かかと曲げ
物になってしまった頭のことではない。へっぴり腰で
前から見たときには、波乗り生活
-s このオプションを指定すると、プログラムの動作はまったく変わります。1つのファイルに含まれる改行文字をすべて取り除いた上で、ファイルの末尾に1つだけ改行文字が付加されます。そのため、このオプションを指定すると、出力は次のように変わります。
頭の名前 頭には名前がもう一つあったと思うのだが、 どうしても思い出せない。 胴体から切り離したときには、 切断面を全体の名前として、 首 と呼ぶことがあるが、 私がいいたいのは、 物になってしまった頭のことではない。
ふらふらふらふら 波乗り生活 ふらふらふらふら 落ちたら終わり 波乗り生活 ふらふらふらふら 腰曲げ膝曲げ かかと曲げ へっぴり腰で 波乗り生活
さらに-d ""(空文字列)を指定して実行すると、次のような出力が得られます。
頭の名前頭には名前がもう一つあったと思うのだが、どうしても思い出せない。胴体から切り離したときには、切断面を全体の名前として、首と呼ぶことがあるが、私がいいたいのは、物になってしまった頭のことではない。
ふらふらふらふら波乗り生活ふらふらふらふら落ちたら終わり波乗り生活ふらふらふらふら腰曲げ膝曲げかかと曲げへっぴり腰で波乗り生活
--help paste.exeのヘルプメッセージが表示されます。
--version paste.exeのバージョン番号が表示されます。
これらのオプションを指定すると、オプショングループボックス内のほかのオプションは指定できなくなります。
通常、出力ファイル名を指定する必要はありません。指定しなければ、出力は一時ファイルに書き込まれ、その一時ファイルが指定されたテキストエディタによってオープンされます。しかし、ファイル名を指定すれば、出力はそのファイルにリダイレクトされ、テキストエディタにもそのファイルが渡されます。また、中央のエディットボックスにファイル名が表示され、その下の「追加」チェックボックスをチェックできるようになります。「追加」チェックオックスをチェックすると、そのファイルの元の内容の末尾に出力を書き足します。出力の指定方法の詳細は、「出力の指定」を参照してください。
出力グループボックスの下の行には、組み立てたコマンド行が表示されます。管(pipeline)の「編集」ボタンで起動したときを除き、コマンド行の左側の四角形をマウスでクリックしてドラッグしていくと、他の貼、管、行(cmdline)にドロップできます。また、「コピー」ボタンを押すと、コマンド行情報がクリップボードにセットされます。クリップボードにコマンド行情報がセットされているときに、マウスの右ボタンをクリックし、コンテキストメニューから「貼り付け」を選択すると、クリップボードのコマンド行情報が反映されます。ドラッグアンドドロップとコピーアンドペーストの詳細は、「ドラッグアンドドロップとコピーアンドペースト」を参照してください。エキスポート、インポートされるときのコマンド行情報の形式については、「コマンド行情報のやり取りの仕組み」を参照してください。さらに、ダイアログボックス上でマウスの右ボタンを押したときに表示されるコンテキストメニューの「.batロード」、「.bat保存」コマンドを使えば、同じ形式のコマンド行情報を.batファイルとして保存し、あとでロードすることができます。このロード、保存機能の詳細は、「.batファイルのロードと保存」を参照してください。
作業ディレクトリを表示しているエディットボックスを直接編集したり、マイコンピュータ、エクスプローラなどからフォルダを1つだけドロップしたりすると、作業ディレクトリを変更できます。「ChDir」ボタンでも、作業ディレクトリを設定できます。作業ディレクトリの設定が必要になるのは、入力ダイアログボックスの「直接指定する」を使うときです。詳しくは、「作業ディレクトリ」を参照してください。
「設定」ボタンを押すと、「設定」ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスでは、
出力の表示に使うテキストエディタ
エクスプローラなどからファイルやフォルダをドロップしたときの確認メッセージの有無
出力の末尾に実行したコマンド行、実行時間などを付加するかどうか
コマンド行プログラムに渡すファイル名のディレクトリ区切り子を\ではなく/にするかどうか
コマンド行プログラムに渡すファイル名を8.3形式にするかどうか
コマンド行プログラムとしてどれを使うか
を指定できます。詳しくは、「設定ダイアログボックス」を参照してください。
「opt保存」ボタンを押すと、「オプション」グループボックス内の設定が保存されます。詳しくは「オプション保存」を参照してください。