cut
フロントエンド


このフロントエンドからは、各行を切り刻むcutプログラムを実行できます。cutには逆を行うpasteがあり、フロントエンド)も似ています。このフロントエンドの「実行」ボタンは、何らかの入力と範囲の両方が指定されたときに有効になります。

 

通常のウィンドウ

のメインダイアログから起動したときのウィンドウ

入力

マイコンピュータ、エクスプローラなどのウィンドウからファイルのアイコンをドラッグしてきてこのウィンドウにドロップすれば、そのファイルが入力ファイルとして使われます。

 

クリップボード  このチェックボックスをクリックすると、「入力ファイル」ダイアログボックスで指定された入力を使わず、クリップボードの内容を標準入力にリダイレクトします。

ファイル      このボタンをクリックすると、「入力ファイル」ダイアログボックスが表示されます。ファイルの順番を指定したいときや、ワイルドカードを使って複数のファイルをまとめて指定したい場合には、このダイアログボックスを使います。

 

入力の指定方法の詳細については、「入力の指定」を参照してください。

オプション

区切りの単位

すぐ下の範囲欄の数字の単位です。-b-cは区別されていないようです。

 

-b バイト単位で出力範囲を指定します。たとえば、次のようなファイルがあったとき、

 

 頭の名前

 

頭には名前がもう一つあったと思うのだが、

どうしても思い出せない。

胴体から切り離したときには、

切断面を全体の名前として、

と呼ぶことがあるが、

私がいいたいのは、

物になってしまった頭のことではない。

前から見たときには、

 

-b 3-6と指定すると、次のように各行の3バイト目から6バイト目が出力されます。

 

頭の

 

には

うし

体か

断面

 

呼ぶ

がい

にな

から

 

-c 字数単位で出力範囲を指定します。cygwinのバージョンでは、-bと同じ動作になるようですが、PCKバージョンでは、1バイト文字も2バイト文字も同じように1字として数えます。

 

-f フィールド単位で出力範囲を指定します。フィールドとは、デフォルトではタブで区切られた文字の塊です。-dオプションを使えば、別の区切り子を指定することができます。たとえば、次のようなファイルがあったとき、

 

茨城    水戸

栃木    宇都宮

群馬    前橋

埼玉    さいたま

千葉    千葉

東京    東京

神奈川   横浜

 

-f 2と指定すると、次のように出力されます。

 

水戸

宇都宮

前橋

さいたま

千葉

東京

横浜

 

行に区切り子が含まれていない場合、デフォルトでは行全体が表示されます。

範囲

範囲は次のものをカンマで区切って指定します。

 

N               N番目(1から数える)

N-              N番目から行末まで

-N              先頭からN番目まで

N-M             N番目からM番目まで

 

-b-c-fのなかのどれが使われるかによって何番目のバイトなのか、文字なのか、フィールドなのかが決まります。

区切り子関連オプション

以下の3つのオプションは、フィールドの区切り子に関連するオプションなので、-fが指定されているときに限り有効になります。

 

-d 1文字でフィールドの区切り子を指定します。 次のようなファイルがあったとき(gnu cutのヘルプメッセージの一部。-bなどと書かれている前にはスペースが2字、カンマと--の間はスペースが1字入っている)、

 

  -b, --bytes=LIST        output only these bytes

  -c, --characters=LIST   output only these characters

  -d, --delimiter=DELIM   use DELIM instead of TAB for field delimiter

  -f, --fields=LIST       output only these fields

 

-d " " –f 3-4を指定すると(つまり、区切り子をスペースにすると)、次のように出力されます。

 

-b, --bytes=LIST

-c, --characters=LIST

-d, --delimiter=DELIM

-f, --fields=LIST

 

--output-delimiter これを指定すると、出力の区切り子が-dで指定された文字ではなく、こちらで指定された文字に変わります。上記の例で、さらに—output-delimiter="+"を指定すると、次のように出力されます。

 

-b,+--bytes=LIST

-c,+--characters=LIST

-d,+--delimiter=DELIM

-f,+--fields=LIST

 

カンマと--の間のスペースが+になっていることに注意してください。

 

-s デフォルトでは、区切り子が含まれない行はそのまま出力されますが、これを指定すると出力されなくなります。

ヘルプ、バージョン

--help  cut.exeのヘルプメッセージが表示されます。

--version  cut.exeのバージョン番号が表示されます。

 

これらのオプションを指定すると、オプショングループボックス内のほかのオプションは指定できなくなります。

出力

通常、出力ファイル名を指定する必要はありません。指定しなければ、出力は一時ファイルに書き込まれ、その一時ファイルが指定されたテキストエディタによってオープンされます。しかし、ファイル名を指定すれば、出力はそのファイルにリダイレクトされ、テキストエディタにもそのファイルが渡されます。また、中央のエディットボックスにファイル名が表示され、その下の「追加」チェックボックスをチェックできるようになります。「追加」チェックオックスをチェックすると、そのファイルの元の内容の末尾に出力を書き足します。出力の指定方法の詳細は、「出力の指定」を参照してください。

コマンド行

出力グループボックスの下の行には、組み立てたコマンド行が表示されます。(pipeline)の「編集」ボタンで起動したときを除き、コマンド行の左側の四角形をマウスでクリックしてドラッグしていくと、他のcmdline)にドロップできます。また、「コピー」ボタンを押すと、コマンド行情報がクリップボードにセットされます。クリップボードにコマンド行情報がセットされているときに、マウスの右ボタンをクリックし、コンテキストメニューから「貼り付け」を選択すると、クリップボードのコマンド行情報が反映されます。ドラッグアンドドロップとコピーアンドペーストの詳細は、「ドラッグアンドドロップとコピーアンドペースト」を参照してください。エキスポート、インポートされるときのコマンド行情報の形式については、「コマンド行情報のやり取りの仕組み」を参照してください。さらに、ダイアログボックス上でマウスの右ボタンを押したときに表示されるコンテキストメニューの「.batロード」、「.bat保存」コマンドを使えば、同じ形式のコマンド行情報を.batファイルとして保存し、あとでロードすることができます。このロード、保存機能の詳細は、「.batファイルのロードと保存」を参照してください。

作業ディレクトリの設定

作業ディレクトリを表示しているエディットボックスを直接編集したり、マイコンピュータ、エクスプローラなどからフォルダを1つだけドロップしたりすると、作業ディレクトリを変更できます。「ChDir」ボタンでも、作業ディレクトリを設定できます。作業ディレクトリの設定が必要になるのは、入力ダイアログボックスの「直接指定する」を使うときです。詳しくは、「作業ディレクトリ」を参照してください。

設定

設定」ボタンを押すと、「設定」ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスでは、

 

*出力の表示に使うテキストエディタ

*エクスプローラなどからファイルやフォルダをドロップしたときの確認メッセージの有無

*出力の末尾に実行したコマンド行、実行時間などを付加するかどうか

*コマンド行プログラムに渡すファイル名のディレクトリ区切り子を\ではなく/にするかどうか

*コマンド行プログラムに渡すファイル名を8.3形式にするかどうか

*コマンド行プログラムとしてどれを使うか

 

を指定できます。詳しくは、「設定ダイアログボックス」を参照してください。

opt保存

opt保存」ボタンを押すと、「オプション」グループボックス内の設定が保存されます。詳しくは「オプション保存」を参照してください。