pcksetup


pcksetup)はインストールプログラムでもあり、インストール後のシステムを設定するためのプログラムでもあります。まず、インストール時の操作方法を説明してから、インストール後のシステム設定を説明することにします。

インストーラ機能

pcksetup)は、ユーザーを管理者と非管理者の2種類に分類します。管理者とは、レジストリのHKEY_LOCAL_MACHINEキーに書き込めるユーザーのことで、Windows 9x/Meではすべてのユーザーがこれに当たりますが、Windows NT/2000/XPではAdministratorsグループに属するユーザーだけがこれに該当します。インストールを実行できるのは、管理者だけです。

インストールするときには、配布zipファイル内のすべてのファイルを1つのフォルダに展開してから、そのフォルダに含まれているpcksetup.exeを実行してください。デスクトップアイコンやスタートメニューに既存バージョンのpcksetup.exeがあっても、それを使わないようにしてください。pcksetup.exeがコピーできるのは、pcksetup.exeと同じフォルダにあるファイルだけです。

起動時のpcksetup.exeの画面は、そのときのシステムの状態によって異なります。初めてPCKをインストールするシステムで、ユーザーが管理者であれば、次のような画面(画面1)になるでしょう。

 

 

ユーザーが管理者でなければ、次のようになります(画面2)。

 

 

Windowsインストーラでインストールされたver.2.0.0.4以前のシステムがインストールされている場合には、次のようになります(画面3。もちろん、ユーザーは管理者でなければなりません。ユーザーが管理者でなければ、画面2とはまた別のエラー画面になります。また、インストールされているPCKよりも古いバージョンのpcksetupを実行しようとすると、ユーザーが管理者かどうかにかかわらず、さらに別のエラー画面が表示されます)。

 

 

この場合は、Windowsインストーラによるアンインストール作業が終わると、画面1に切り替わります。終わらないうちは、エラー画面になり、「次へ」を押して再度アンインストールを試みることになります。

pcksetupでインストールされた旧バージョンがある場合や、PCKを以前インストールしたことがあって、まだレジストリにPCK関連の設定が残っている場合には、次の画面(画面4)になります。ここで、「インストール」を選んで「次へ」ボタンを押すと、画面1に進みます。

 

 

 画面1で「次へ」ボタンを押すと、他のインストーラでもよく見られるインストールの条件表示画面になります。もちろん、条件に同意できなければ、インストールはできません。「同意する」を選択して「次へ」ボタンを押すと、インストール先フォルダ選択画面になり、ここで適当なフォルダを選択して「次へ」ボタンを押すと、次の画面(画面5)になります。今までは「次へ」ボタンで先に進んできましたが、ここを過ぎると、以前の画面には戻れなくなりますので、この画面から先に進むためには「完了」ボタンを押します。

 

 

画面5で「完了」ボタンを押したとき、pcksetupを起動したフォルダにPCKのすべてのファイルが含まれていれば、進行状況ダイアログが表示され、ファイルのコピーが始まります。しかし、一部のファイルが欠けていたり、配布ファイル内にあるのとは別のファイル名になっていると、エラー画面が表示されます。ファイルを揃えてから「次へ」ボタンを押すと、画面5に戻り、コピーを開始できます。また、コピーを途中でキャンセルするなどの理由によって、すべてのファイルがコピーされなかった場合には、別のエラー画面が表示されますので、このエラー画面で「次へ」を選択すれば、画面5に戻って、インストールを再試行することができます。

ファイルが無事にコピーされると、レジストリのsettingキーにインストールしたPCKのバージョン、フォルダ、el.exespawn.exeやヘルプファイルのパスを書き込み、レジストリの別の位置に2つのシェルエクステンションのための設定やコントロールパネルの「アプリケーションの追加と削除」アプレットのための設定を書き込みます。そして、システムのリブートが必要でなければ(必要でも、すぐにリブートしなければ)、次の画面を表示します(画面6)。

 

 

普通のインストーラなら、ここで「閉じる」を押してインストーラを終了するところですが、このプログラムでは、「次へ」を選択することができます。そして、「次へ」を押すと、インストール後設定の初期画面に移ります。

インストール後設定に進む前に、システム修復について触れておきます。インストールされているシステムとぴったり同じバージョンのpcksetupを実行した場合でも、インストール先のフォルダからファイルを削除したり、別のフォルダに移動したり、ファイル名を変更したりすると、pcksetupはファイルが揃っていないと見なし、エラー画面を表示します(管理者ではないユーザーの場合は、別のエラー画面になります)。この画面で、PCKファイルが揃っているフォルダを指定して、「次へ」ボタンを押すと、画面5に移ります(PCKファイルが揃っていないフォルダを指定すると、エラー画面になります)。ここで「完了」ボタンを押せば、システムは修復されます。

インストール後のシステム設定

PCKが正しくインストールされている状態で、インストールされているシステムとぴったり同じバージョンのpcksetupを起動すると、インストール後システム設定のための画面が表示されます。ただし、画面の選択肢は、管理者かどうか、さらにシステムがWindows 9x/MeWindows NT/2000/XPかによって異なるものになります。次に示すのは、もっとも選択肢の多いWindows NT/2000/XPの管理者ユーザー用の画面(画面7)です。

 

 

Windows NT/2000/XPの非管理者ユーザー用画面は、このなかから(全ユーザー)と書かれている.項目とアンインストールを取り除いたもの、Windows 9x/Me画面9x/Meでは、ユーザーという概念自体がオプションなので、管理者と非管理者の区別はありません)は、デスクトップアイコンとスタートメニューアイテムの(全ユーザー)を取り除いたものになっています。

フロントエンドの登録/登録解除

フロントエンドの登録とは、GUIフロントエンドについての情報をレジストリに書き込むことであり、登録解除とは、レジストリからGUIフロントエンドについての情報の一部を取り除くことです。登録されているGUIフロントエンドは、pipe line)の「起動ボックス」に表示され、このpcksetupの「一斉設定」以下の処理の対象になりますが、登録されていないGUIフロントエンドは、それらの対象にはなりません。もっとも、GUIフロントエンドを1度起動、終了すると、そのGUIフロントエンドは登録されます。

どちらかの「フロントエンドの登録/登録解除」を選択して「次へ」ボタンを押すと、次のような画面になります。(画面8)。

 

 

登録」、「登録解除」ボタンを使って、登録したいフロントエンドを右に、登録したくないフロントエンドを左にまとめます。「完了」ボタンを押した時点で右側にまとめられているフロントエンドが登録され、左側にまとめられているフロントエンドが登録解除されます。ただし、「完了」ボタンを押したときにpipe line)の「起動ボックス」が表示されていても、その表示内容は更新されません。1度クローズして、オープンし直すと更新されます(一時、ダイナミックに起動ボックスの表示内容を更新していた時期もありましたが、トラブルが多い割に、大した効果が得られないのでやめました)。

画面7で(全ユーザー)付きのアイテムを選択して登録したフロントエンドは、そのマシンを使うすべてのユーザーの環境で登録され、個々のユーザーが登録を解除することはできなくなります。インストール時には、Windows NT/2000/XPでは、9x/Me用のdir)、board)、Windows 9x/MEでは、NT/2000/XP用のdir)、findstr)、boardu)を除くすべてのフロントエンド、GUIプログラムが全ユーザーを対象として登録されています。しかし、すべてのユーザーが必ず使うフロントエンド以外のものは、登録を解除してもよいでしょう。ただし、pipe line)、command line)、touch)、pcksetup)は、必ず登録しておいて下さい。

一斉設定

GUIフロントエンドの「設定」ダイアログには、どのフロントエンドにも共通な項目がいくつも含まれています。画面7で「一斉設定」を選択して「次へ」ボタンを押すと、それらの項目をまとめて設定することができます。ただし、「次へ」ボタンを押したときにまず表示されるのは、画面8とよく似た次の画面(画面9)です。

 

 

この画面のリストには、画面8で登録されたプログラム(全ユーザーを対象として登録されたものもカレントユーザーを対象として登録されたものも含みます)のうち、GUIフロントエンドになっているものだけが表示されます。この画面で、設定対象のプログラムを選択してから「次へ」ボタンを押すと、次のような「設定」ダイアログとよく似た画面(画面10)が表示されます。操作方法やオプションの意味は「設定」ダイアログボックスと同じですので、そちらの説明を参照してください。

 

 

チェックボックスは3状態(チェック付き、グレイのチェック付き、チェックなし)で表示されます。操作対象として選択されたすべてのフロントエンドがチェックしている項目はチェック付き、すべてのフロントエンドがチェックしていない項目はチェックなし、チェックしているフロントエンドとチェックしていないフロントエンドがある項目はグレイのチェック付きで表示されます。また、操作対象として選択されたすべてのフロントエンドがサポートしない設定(たとえば、 dir find: sortは、「\ではなく/でディレクトリを区切る」や「MS-DOS風の短いファイル名で入力を指定する」という設定項目を持ちません)は、無効状態で表示されます。同様に、エディタ選択用のコンボボックスでも、操作対象として選択されたすべてのフロントエンドが特定のエディタコマンド行を選択している場合にはそれが表示されますが、まちまちになっている場合には、「(設定しない)」が表示されます。

完了」ボタンを押したとき、グレイのチェック付きのチェックボックスや「(設定しない)」が表示されているエディタコマンド行は無視されます。その他の設定は、すべての操作対象プログラムに影響を与えます。

この設定は、他のユーザーには影響を与えません。また、そのときに実行中のGUIフロントエンドの設定も、ここでの設定の影響を受けません。しかし、「完了」ボタンを押したあとに起動したフロントエンドの「設定」ダイアログボックスは、ここで設定した内容を反映したものになります。

デスクトップアイコン、スタートメニューアイテム

画面7でデスクトップアイコンやスタートメニューアイテムに関連した項目を選んで「次へ」ボタンを押したときにも、「一斉設定」のときと同様の画面9が表示されます(ただし、デスクトップアイコンの場合は、「全部追加」ボタンはありません)。リストコントロールに表示されるアイテムは、画面8で登録されたすべてのプログラムです。つまり、「一斉設定」のときとは異なり、GUIフロントエンド以外のGUIプログラムも表示されます。右側のリストには、その時点でデスクトップアイコンやスタートメニューアイテムとして表示されているプログラムが表示されます。

デスクトップアイコンの場合は、画面9の段階で「完了」ボタンを押せば、右側のリストに含まれているプログラムのアイコンがデスクトップアイコンとして表示されます。オープンしたときに右側のリストに含まれていたのに、「登録解除」ボタンで左側に移されたアイコンは、デスクトップから取り除かれます。

スタートメニューアイテムの場合には、メニュー名を尋ねる画面11が表示されます。

 

 

メニュー名を指定して「完了」ボタンを押すと、画面9の右側のリストに含まれていたアイテムから成るスタートメニューが作られます。

アンインストール

インストールする権限を持つユーザーは、アンインストールをすることもできます。アンインストールは、すべてのプログラムを削除し、デスクトップアイコンやスタートメニューアイテムを削除します。また、シェルエクステンション関連のレジストリエントリを削除し、GUIプログラムの登録を解除します。しかし、すべてのレジストリエントリを取り除くわけではありません。アンインストール後、再インストールすると、以前の環境のかなりの部分が復活します。

画面7で「アンインストール」を選択すると、次のような画面になります(画面12)。

 

 

完了」ボタンを押すと、アンインストールが行われ、次の画面になります(画面13)。

 

 

画面13で指示されてるように「次へ」ボタンを押すと、次の画面になります(画面14)。画面4で「完全削除」を選択したときにも、画面14に移動します。

 

 

ここで「完了」を押すと、そのユーザーのレジストリのPCK関連の設定はほぼ完全に消え、終了画面になります。

アンインストールがこのように2段階に分かれているのは、たとえアンインストールを実行したユーザーが管理者でも、ほかのすべてのユーザーの個人設定をきれいに消すことは、もしできないということはなくてもかなり難しいからです。そのため、アンインストール時には、pcksetup.exeは削除されませんし、pcksetup.exeのためのデスクトップアイコンやスタートメニューアイテムは削除されません。それは、アンインストールを行ったユーザー以外のユーザーがpcksetup.exeを起動して、画面14の処理を実行できるようにするためです。マシンからPCKの痕跡を消したい場合には、すべてのユーザーに画面14の処理をしてもらってから、手作業でpcksetup.exeを取り除いてください。

コマンド行プログラムとGUIフロントエンドの関係

PCKの大多数のGUIフロントエンドは、どのコマンド行プログラムに対応しているのかが正しく設定されていなければ何もできません。GUIフロントエンドは、自分では仕事をせず、コマンド行プログラムに仕事をさせようとしますが、そのコマンド行プログラムが見つからなければ、何もできないわけです。アイコンがGUIフロントエンドは、対応するコマンド行プログラムがPCKに含まれていますので、インストール直後からすぐに使えます。しかし、アイコンが黄緑色になっているGUIフロントエンドに対応するコマンド行プログラムは、PCKのなかには含まれていませんので、手作業でセットアップをしていただかなければなりません。本節では、そのための方法を説明します。

GUIフロントエンドが起動するコマンド行プログラムは、「設定」ダイアログの「コマンド行ツールのパス」の右にある「選択」、「デフォルト」ボタンで選択できます。「選択」ボタンを押すと、標準の「ファイルを開く」ダイアログがオープンされます。ダイアログのなかでフォルダをたどり、目的のコマンド行プログラムを見つけて選択し、「開く」ボタンを押すと、「設定」ダイアログボックス内にそのプログラムのフルパス、つまりプログラムがどのドライブのどのディレクトリに含まれるかを示す(もちろん、プログラムの名前も示す)長い名前が表示されます(たとえば、c:\program files\longtail\cmdline\cat.exe)。このようにしてコマンド行プログラムを選択すれば、GUIフロントエンドは間違いなくそのプログラムに仕事をさせることができます。

しかし、アイコンがGUIフロントエンドの「設定」ダイアログを見てください。フルパスではなく、プログラム名しか指定されていないのに、これらのフロントエンドはコマンド行プログラムを見つけて仕事をさせることができています。その理由は、説明すると少々長い話になります。

Windowsシステムは、プログラムからほかのプログラムの起動を要求されたときに、どのディレクトリのどのプログラムかが明記されていれば、無条件でそのプログラムを探しますが、catのようにプログラム名だけしか指定されなかったときには、あるルールに従ってプログラムを探します。たとえディスクにプログラムが格納されていても、このルールのもとで検索の対象となるディレクトリに格納されていなければ、そのプログラムは「見つからない」ということになり、実行できません。このルールは少々複雑なのでここでは詳しく説明しませんが、環境変数のPATHで指定されたディレクトリに格納されているプログラムは、かならず「見つかる」ことが保証されています。

環境変数PATHの内容は、pipeline)のメインダイアログの「環境変数」ボタンを押せば確かめられます。オープンされた「環境変数設定」ダイアログの「全体」の部分でPATHという名前を探してください。値は、セミコロンで区切られたディレクトリのリストになっています。たとえば、典型的なWindows 9xマシンでは、c:\program files\longtail\cmdline;C:\WINDOWS;C:\Windows\COMMANDなどとなっているでしょう。この場合、C:\Program Files\longtail\cmdlineC:\WindowsC:\Windows\Commandに格納されているプログラムは、プログラム名を指定するだけで実行できるということになります。たとえば、C:\Program Files\ongtail\cmdlineC:\Windows\Commandに同じ名前のプログラムが含まれている場合、C:\Program Files\longtail\cmdlineの方が先に書かれていますので、そちらのプログラムの方が優先的に実行されます。

実は、この先頭に書かれているc:\program files\longtail\cmdlineは、が起動時に挿入したものです(挿入しないように設定することや、別のディレクトリを挿入したり、複数のディレクトリを挿入することも可能。「設定ダイアログボックス」のページを参照してください)。から起動されたGUIフロントエンドは、このように設定された環境変数を使いますので、コマンド行プログラムとして、フルパスではなく、プログラム名だけが指定されていても、コマンド行プログラムを見つけられるのです。たとえば、「ファイル名を指定して実行」ダイアログなどを使ってGUIフロントエンドを起動しても、手作業でPATHを変更していない限り、フロントエンドはコマンド行プログラムを見つけられないでしょう。

アイコンが黄緑色のGUIフロントエンドをコマンド行プログラムに対応付けるときにも、コマンド行プログラムをPCKと同じc:\program files\longtail\cmdlineディレクトリに格納するか、コマンド行プログラムが格納されているディレクトリをc:\program files\longtail\cmdlineとともに環境変数PATHに挿入すれば(の「設定」ダイアログで)、プログラム名だけの指定でコマンド行プログラムを見つけられるようになります(システムがc:\program files\longtail\cmdline以外のディレクトリにインストールされたときにも、そのインストールディレクトリに付いて同様の処理を行ってください)。「設定」ダイアログの「デフォルト」ボタンは、プログラム名だけの指定をしたいときに使います。