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2024年4月2日 / 最終更新日時 : 2024年4月2日 長尾高弘 書きもの

落ちてる花

赤い早咲き桜が満開になってたので、
ちょっと離れたところで眺めてたら、
小学校一、二年生ぐらいかな、
いかにも子どもって感じの女の子がやってきて、
「わあ、きれい」って声に出して言いながら、
花に近づいてったわけ。
で、ちょうど一輪分の花を根本からちぎって
下に落っことしたんだよね。
そうこうするうちに、
弟らしいもっと小さな男の子と
母親も桜の木の近くにやってきたもんで、
女の子が「ねえ、見て、きれいでしょ」って
言ってるわけ。
それから視線を下に落として、
ちぎった花を拾い上げ、
「落っこってた花見いつけた」
なんて言うものだから、
男の子の方が、
「いいなあ、花取ってもいい?」
って母親に言うわけ。
母親はもちろん「だめよ」って言うよね。
「落ちてる花ならいいけど」。
でも、男の子はすぐには引き下がらないわけ。
「えー、いいでしょう」って諦められない様子でね。
母親が「だーめ」ってもう一回言って、
お姉ちゃんも「落ちてるのならいいけど、取っちゃだめよ」
って言うもんで、男の子も諦めて、
気がつくと三人ともいなくなってた。

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